Let’s dance

2011年10月6日 映画
今回はちょっと硬めにユーゴスラビア映画「アンダーグラウンド」をば。
1995年のカンヌでパルム・ドール大賞した作品をデジタルリマイスターしたもの。
未DVD化だそうだが、このバージョンでDVDかBD化するのだろうか。

第二次世界大戦中、ドイツに占領されたベオグラードを舞台に
詐欺師、電気工事師、舞台女優が混乱した時代をたくましく生き抜く姿を
カオス的コメディーにしている。

登場人物らは多少なりとも国のことを心配しつつも
自分が生きやすい道を選択していく姿に
リアルかつシュールでおかしみがある。

1996年に日本で公開された当時も話題になった
BGMで使われているユーゴスラビアの民族音楽は
主人公の後ろでバンドがついてくる絵と合わさって
効果が更に上がっているのがすばらしい。

ユーゴスラヴィアの分裂までを描ききるという重い題材を
ダンスシーンを織り交ぜることで軽やかに見せる演出は
大賞を受賞するに値する一品。

3時間弱という長さ、日本に馴染みのない国と人名と
顔(笑)で見るのにちょっと努力がいる作品だが
見応えのある作品なのでぜひ。

おまけ。
見終わった後に興味が湧いたら読んでみるがよい本?
”映画『アンダーグラウンド』を観ましたか?―ユーゴスラヴィアの崩壊を考える”
越村勲/彩流社

コメント