2週間に1冊の岩波シリーズ。初めてのロシア文学、プーシキン。

このタイトルは聞き覚えあるなあ>「スペードの女王」
と思っていたが、横溝正史か(苦笑)。

工兵士官のドイツ系主人公が、カード賭博で目を予測できる秘密を知っている侯爵夫人に、その秘密を教えてもらおうと屋敷へ忍びこみ、誤って殺してしまう。秘密を知った工兵は自分の貯金を叩いて大勝負に打って出る。

ドストエフスキーが絶賛した小説であり、短編の名手と謳われたプーシキンの名作だ。60ページ未満で完結する。

こんな短い小説なのに読むのに苦労するのは1830年代と19世紀の小説だからか。ともかく注釈を読まないと分からない。注釈読んでも理解に時間がかかる。

それでも、これを乗り越えた先には感動が待っている。90分未満の印象強い映画を見せられた気分といえようか。最後にスペードの女王が薄笑いしたと幻覚する場面はサスペンスでもスリラーでも最高のシーンだ。

2日間でやっとこ1作品読み終わったので、他に収録されている「ベールキン物語」はこれから。

ところで、本表紙にある?ドストイェーフスキイは「幻想的芸術の絶頂」だといって絶賛した?が、「幻想的笑術の絶頂」に見えたのは気のせいでしょうかね。コメディだと思っていたんだよう・・。

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