小説十八史略

2007年9月13日 読書
中国史のおさらいでもしておくか、と手にとってみた。陳舜臣著。

図書館で借りたのでハードカバー。これは文庫化しているので、買って読むなら文庫版が持ち運びしやすいのでオススメ。私が読んだのはハードカバー第1巻の神話時代から張良の始皇帝暗殺未遂まで。

教科書に書かれるようなあっさりな流し方ではあるが、エピソードを加えて長編小説のあらすじのようになっており、それが生き生きと描かれているので、どの中国史を読むよりも分かりやすい。

また、中国史をよく知っている人であれば「待ってました!その話」というエピソードが出るし、陳さん流解釈がちゃんと参考文献と共に断りを入れて挿入されているのがいい。

もちろん小説のダイナミックさを出すために、政治・戦争の歴史が中心となるが、時代背景やなぜそういう駆け引きが成立するかを細かく書いているので、映画や小説をより楽しむための知識を持つには最適の教科書だ。

春秋戦国時代は特に心ときめいてしまう。《史記》の刺客列伝だけでも美味しいのに、小説仕立てにされたら、もうもう♪

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