キスブルー II

2007年7月6日 読書
木下けい子著。今イチオシなBLマンガ家。

駒崎優の指摘にもあるように最近のBL小説、マンガはポルノ化が激しくなっており、そのうち年齢制限でも付くんじゃね?と思ったりするわけだが、この作者はJuneより軽いという悪評をいただく正しいBL本道を通りつつ、表現は少女マンガのそれよりもピュアである。

注釈:Juneは栗本薫などを中心とした、20年くらい前より存在する密閉性の高い話で、舞台としては横溝正史などが書くような血族、村、寮などが多い。BLは学園、社会人など普通に生活している人らと混じっている話が多い。この辺りの解釈は難しいので、ここでは適当に定義させていただく。

この作者にとって初シリーズ物で、今回でついに完結してしまう。季刊誌でよくがんばった!恋愛にとっては完結になってしまうのだが、彼ら2人の付き合いは終わりが見えない不安を残している。読者を消化不良にさせてしまうが、現実の人付き合いなんて、一つのトラブルを解決したところで、他も全てカタが付くことはないので、これはある種アンチBLともいえる。

風呂敷を広げたらたたむ。by吼えろペン


これは創作の大前提で、たたんでいただけないと大変なことになる。読者が読後の消化に関わってくる。「ガラスの仮面」は今だにたたまれておらず、「あさきゆめみし」はがんばってたたみきった。全員が満足するたたみ方はないが、たたむことは常に非情であらねばならない。

BL小説というのはライトノベルズor読みきりが多いため、安易なたたみ方をしてくれる。ハッピーエンドで終わり、番外編1つを単行本化にあたり書き下ろす。2時間サスペンスと同じものといえば仕方ないが、それでも設定もエンディングも安易だと、どれを読んでも同じではなかろうか。

さりとて、たたまれずにフェードアウトされては読者は死ぬに死ねないので、いい加減なところでたたんでくださいな・・。

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