友人から借りた「英国妖異譚」シリーズと絡んでいるため、図書館で借りた。

ホワイト・ハート文庫で殺人事件のミステリーというのは、珍しくもないので通勤の往復で読了できる。ミステリーと言っても、昭和やバブルの頃に出版社が乱発した2時間サスペンスのようなものである。

感想。
作者は気を使ったようではあるが、後味の悪い作品だった。被害者が7歳の子供。犯行には宗教絡み。普通の神経を持っていたら子供が被害者ということは大人が被害者よりも重大な意味を持つ。その感覚を忘れてはいけないとは思うが、エンターティメントとしてミステリーや殺人事件を扱うならば、子供が被害者というのは娯楽にならないし、してはならない。過去の因縁話の一つとしてサラっと出てくるならともかく、何人も被害者が出てくると本当に気分が悪くなってくる。

《虚無への供物》と同じテーマで書いているならば成功といえるが、そうではないようなので評価は今ひとつ。

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