金庸ばっかでは重くて仕方なく、軽い読み物を大量にざっくり読み進めている。

で、講談社X(ホワイトハート)文庫のシリーズで、中世騎士物語風味。
一応作者は史学科出身で、中世を勉強していた人なので間違いはないと思われる。間違いがあったとしてもファンタジーだから気にしてはいけない。

外国を舞台とした小説で日本人が一番のカベと感じるのが、信仰や思考である。中世騎士モノの場合、教会の権威が今とは比べ物にならないし、王に地方領主や騎士と教会との上下関係が今ひとつ素人には難しい。いくらRPGで単語を知っていても、実際となれば訳が違う。

この簡単な小説でも、司祭、修道士、騎士、従者、農夫、商人、旅芸人、娼婦、執行長官などなどあらゆる職種、階級が出てくる。それでも解説が途中でされているため、分かりづらいことはなく、消化しやすい。一応、推理モノの一種なので恋愛やら友情があるものの、ミステリーが中心。今回は上下巻に分かれているが、厚さの問題で分かれさせられたようなので、ハードカバーになれているなら2冊いっぺんでも問題ない分量だ。

NHKで放送していた海外サスペンス「修道士カドフェル」を楽しめたのなら、ぜひこれも。足のない獅子シリーズはこの本で完結し、次回は「ER」風なら第2シーズンである金の拍車シリーズへ突入。

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