メシアの処方箋

2006年6月22日 読書
凹んでいる最中だと趣味だけでは今ひとつ乗り切れないことがある。そんなときは気になるものから一つ一つ片付けるしかない。

今回は先日、たまたま地元の図書館で見つけた機本伸司のSF小説を手に取ってみた。以前「神様のパズル」を読破して以来の再会だ。

ヒマラヤで氷河湖が決壊し、出てきた「方舟」と呼ばれる遺物より奇妙な木簡が発見された。この木簡には驚くべき情報が記載されていた・・・。主人公たちはこの情報をいかに解読し、利用し、何を見たか。

あらすじを詳細に書くとネタバレになるため、こんな按配になるが、救世主からの現代病に対する処方箋といった展開を辿ると思って欲しい。そして、凹んでいた私の心もこの小説で救われた。

バイオテクノロジィ分野で何が今起きているのか、そして私たちは何を求めているのか。そういうことを考えさせられたり、気付かされたりする、極上の一品である。SF小説といえども侮るなかれ。

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