レイティング

2010年10月25日 映画
本日はアジア映画2本。
ここ最近のすったもんだのせいでゲスト登壇やらイベントに
多大な影響は出ているものの、いらっしゃっただけでもありがたい。

#エンタメはお金を落としてくれるところが正義(苦笑)

1本目「四枚目の似顔絵」台湾映画。
男の子の目を通して周りの大人を描く手法で現在の問題点を描いたもの。

上海での爆撃で両親を亡くし、台湾へ渡ってきた用務員、
視覚障害者の弟と痴呆の父親を抱えて空き巣などを繰り返す男、
大陸から豊かな生活を求めて渡ってきたが水商売しか仕事がない母、
男の子の兄を虐待で殺してコンクリ詰めにした義父。

台湾の自然をバックにそんな人たちの表の姿と裏の顔を
少年の表情で見せてゆく。

台湾映画らしく非常にゆったり時間が進むので
じんわり染入るのだが疲れます・・・。

撮影スタッフの中島さんは監督の名前の音読みを
別の漢字に当てると出来る文字で作られたペンネーム。
一人で監督、脚本、撮影、そのほかへのクレジットは
ちょっとイヤだったらしい(ぷ)

2本目「恋の紫煙」香港映画。
香港映画好きならご存知、パン監督作品。
日本では一般公開にならないし、DVDでの視聴もかなわないこともあるが
ここで映画と一緒に監督も来てくれるのでファンの集いともなっている。

映画祭主催者が準備しているわけではなく
監督からのファンサービスになるのだが
終了後、サインや握手、直接お話できるように
出口近くで観客を待っていてくれるも楽しみの一つだ。

今回は残虐モノではなくラブコメ。
喫煙場所が限られてしまった香港では火鍋を囲むように
灰皿を囲んで近場の人が集まるようになった。
異業種同志が集まるその場で出会った男女のラブストーリー。

ということで、ひたすら喫煙シーンばかりなので
タバコを吸う人は映画の前にちゃんと吸っておかないと
2時間も映像を見ながら我慢することになる(笑)

実際、すんごい吸い方をしている場面もある。
Lサイズのフタ付き紙コップのフタを開けて
ストローの先にタバコを指して火をつけてから
フタを閉めて文字通り「飲む」・・・とか。

お気に入りのシーンは、喫煙しちゃいけない場所で
カップル(香港人)が吸っているところを警察に注意されたのだが
男に「俺は日本人だから分からない」と日本語で言われたので
彼女へ「あんた香港人だろ。通訳してくれ」と頼んだら
「私、韓国人だから無理よ~」と韓国語で断られ、
仕方なく「ダメ スモーク ダメ スモーク」と
知っている日本語で一生懸命怒るところ。

こんな感じで香港映画らしい会話の妙を楽しめるものなのだが
今回は登場人物らが猥談を楽しそうに話しているために
監督の作品では初の18禁に指定されてしまったそうだ。

監督が香港でレイティングを行なうところに理由を尋ねたところ、
怒り心頭のあまりに汚い言葉を発するのは気持ちが分かるので
成人保護者の指導や助言(日本で言うところのR15)でいいが
ヘラヘラ笑いながら汚い言葉を使っているので三級(R18)とのこと。

監督曰く「それならちょっと怒りを滲ませつつ猥談させりゃよかった」

自身は非喫煙者だが「喫煙所で違う職場の女の子たちと
友達になっている友人が妬ましかった」ことがきっかけで
「誰かのために禁煙を決意する姿に感動」するために作ったこの作品。
これはぜひ面白いのでDVDでもいいから日本で見られるようになればいいのに。

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