業が深いんだよ

2010年6月10日 読書
決算期のストレスで少しでも早く帰れるとうかうかと書店へ入ってしまい
ついつい本を買ってしまうというミイラ取りになっている。

※この「うかうか」の中には中古DVDまとめ買いも含まれる

で、今日のついついは。
『貴族探偵』麻耶雄嵩/集英社

5年ぶりの最新刊なんだ・・・。
箔押しタイトルというアレな装丁、
帯に「召使が推理し、貴族が解決する」ってメルカトル再来か?
新本格推理モノらしい素敵な押し出しに瞬殺された。

この作者の場合、色んな意味で騙される。
読後に漂う後味の悪さ(褒め言葉)は最高なので期待しよう。

本当は『キング&クイーン』を買う予定だったが、それはまた今度。

ちょい前に日経新聞の夕刊にあったが戦前に流行った推理小説は
怪奇趣味(ホラー)や伝奇などと絡み合った妖艶なものが主流で
江戸川乱歩の大人向けの話を思い浮かべれば分かりやすいだろう。

しかし乱歩ほど有名じゃなく、小説雑誌に1,2回しか掲載されずに
消えていった作品、作者は多く、これを見つけては研究している人がいる。

表現が規制された時期では真っ先に矛先を向けられる
”低俗”な扱いはここの辺りから来ているが
私はこの時代の怪奇趣味の探偵小説が大好きなので
昭和の半ばに当時を懐かしんで再販された本を借りたり
先のような研究者が編んだ短編集を買って楽しんでいる。

欧米の推理小説のように筋の通った本格も好きだが
読者を煙に撒く怪奇趣味の物語も大好きなので
麻耶さんの本が出るなんてシアワセだなと思いながら寝る(笑)

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