あっさり読めるかと思っていたら意外に時間がかかってしまった。
帯にもあったようにB級映画のような米小説の邦訳であります。

ハードボイルド・ファンタジーというジャンルは初めて見たわ(汗
この二つって両立できるんかね、と思いながら読み進めたが
他の要素で腹筋を直撃される。

日本のサブカルがいっぱい入ってるんですよ・・・
ハードボイルドの文面に「せえらあむーん」の文字が躍るとは
これどこの本だよっ。
その文章の隣で「空飛ぶギロチン」が入ってくるし
同士の匂いがするなあと思ったら
巻末に「殺しの美学を教えてくれた(中略)
ショウ・ブラザース、三池崇史(省略)に感謝します」
作者は中二病ではないがある意味バカの一族(褒め言葉)だ。間違いない。

話を筋を分かりやすく語るならば
やんちゃなガキ時代に所属していた魔法使いのチームで
プライドは高いがバカのボンボンの罠にはめられ
地獄に落ちて散々な目にあう。
しぶとく生き抜いて15年ぶりにロスへ戻ってきたら
バーでタバコが吸えなくなるわ、携帯電話でネットができるわ
自分の部屋で服を探したら10代の頃に着ていたシャツしかなく
もう俺30代なのにコレを着るしかないのぉ?と涙目。

陥れてくれたバカたちが恋人まで殺したということで
天使も悪魔も敵に回した復讐劇が始まる。

サブカルの知識も必要だし、アメリカの風俗も
そっち方向の部分で大いに必要なのかもしれないが
作者のテンポに合わせるのが難しいタイプの小説だった。

「コンスタンティン」が好きなら確実に楽しめるので
いいB級映画がないなーと思う人はぜひ。

コメント

nophoto
たかい@脱線迷走なうな江湖のおともだち
2010年4月18日4:43

> ショウ・ブラザース、三池崇史(省略)に感謝します

完全にバカだな。バカ以外の何者でもない。(※最上級賛辞)
よりによって着地点そこかよ、みたいな。

かりん
2010年4月18日22:44

ハヤカワは海外のバカを連れてくることがあるので
油断できません。この続編の邦訳が出る予定らしいですよ(嬉)