玉突き状態

2009年2月11日 映画
ひとつの作品を見たら、ひとアクションというべきか。

「とある飛空士」を読んだら「紅の豚」が見たくなり
「紅の豚」を見たら第二次世界大戦の欧州戦線関係が見たくなり。

そんなわけで「敵こそ、我が友」を見た。
ナチスの親衛隊だったクラウス・バルビーが第二次世界大戦後
アメリカのスパイとなり、南米でゲバラ暗殺の作戦を立案、実行し
最後にはナチス時代に虐殺を行ったフランスで終身刑に処されるまでの
ドキュメンタリー作品だ。

イデオロギーの対立による戦略上の必要により生かされる一個人。
たとえ前に何をしていようが、持っている情報、経験、実績が
彼を生かし続けた。しかし、戦略上の駒のひとつならば
最後まで戦略上によって動かされ、表へ出ただけにすぎない。

ニュルンベルク裁判にひきだされた大物たちは複数であり、
戦後処理ということで個人というよりは目に見える国として裁かれた。
彼は80年代という舞台で、過去から甦った亡霊のように現れ
被害者は流れた時でより強調された記憶を感情的に証言する。

フランスはナチスに協力してユダヤ人を収容所へ送った。
アメリカは共産主義に対抗する数々の工作のため元ナチスの親衛隊を使った。
元議員は「同じようなことを今でも中東で行っている」と皮肉った。
繰り返されることは愚かなことなのか。
効果があるからこそ繰り返されるのか。

今、公開中の「チェ」2部作と一緒に見ると
より一層おいしくいただけると思うので、ぜひご覧あれー。

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