これが古龍の邦訳版。どうだ恥ずかしいだろお(笑)本屋のレジまで持っていけた勇者たちよ、永遠なれ。

あちこちのブログで感想をみたが、大体同じような評価。どうやら原作をはしょっているらしい。くそう。。やっぱり原書買うか。

香港のドラマ「PRIDE」を見ている人なら困惑するだろうし、古龍好きは余計に困るという、鬼っ子になったに違いない。

「PRIDE」は原作を壊して改築したようなので、キャラはそのまんま、ストーリーは勢いなんだろう。王晶監督が悪いとかそーでなく、それもまた古龍らしいね、という微苦笑ではあるが。

この作品の問題。
・登場人物の年齢設定:
14歳っておいおい!小魚児たちって・・・そんな若いのか。ドラマ版のせいか、せいぜい18,9を想像していたし、今までの古龍作品(邦訳された分で見る限り)で10代前半はありえないと思う。

・挿絵:
ゲーム化する気ですか、コーエーさん。10代の設定だから、これでいいのか。でも敵役は大人(笑)と思われるので、無茶っす。

・花無ケツ:
ドラマだとニコラス・ツェーがやっていた美貌の青年いや少年。この巻の最後に出ていたが、いつのまに幇主にのし上がっていたんでしょうかね。怖いお姉さん方はいるんかいな。

・小魚児:
ドラマではディッキー・チョンが演じる人なつっこい青年いや少年(しつこい)。美少年って何ソレ?愛嬌のある顔っていうのならば、イラストよりはディッキーに軍配を上げたい。

・女性キャラ:
古龍らしく相変わらず男性キャラに聞く耳もたれていない(笑)。しかし、それを小魚児の性格のせいに片付けられているのはいかがなものかと。それが古龍が常日頃から女性と接して得た教訓で、ト書きに多い表現なのだが。感情的でうるさかったり悪女だったり。でも、なぜか可愛くみえてくるのが面白いのに、この翻訳の表現だと伝わってこず。まあ、10代って設定じゃねえ。。。

・文体:
上記のように、古龍らしい文体はめさめさ残っていない。武侠小説は日本でいえば山田風太郎のようなもので、大人な表現をちらちら垣間見せる、子供に進んで読ませるような読み物ではないわけで。でも面白いから子供は親の目を盗んで読んじゃうような大衆文学だと思う。子供用のラノベじゃないんだってば。青年向けラノベにレベルアップしたって、子供がついていくぐらい面白いんだから、勇気を持って進んでほしい。

とはいうものの、早稲田出版ですらも四本眉毛シリーズ第四弾を出せないのだから、古龍の販売ルート確保は難しい。

金庸は徳間文庫が握ってきちんと文庫化しているのに。あ、笑傲江湖は買わなきゃ。あれは好きなんだよなあ、世界最凶ツンデレ教主♪

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