《空の境界 上》
文庫版を買わなかった理由は色々あるが、全部揃うまで待てないというのもあり、話の順番が違うというのもあり。
ジャンルとしては伝奇小説らしい。ラノベとの説もあるが、ラノベと伝奇小説の境界こそ難しい。伝奇の定義は現実にはありえないことを記した話。ラノベではファンタジー扱いになるが・・・異世界だったらファンタジー、実際にある世界で起こったら伝奇なのか。となると、私が好き好んで読んでいる本はほぼ伝奇となる。
話の組み立てとしては、「インファナル・アフェア」のように前後していて、1章で小さな枠は完結するが、全ての順番が並ぶまでは伏線が張られているのである。
キーマンとして主人公？が黒桐幹也、表紙の女の子がヒロイン(主人公)両儀式、魔術師であり黒桐の職場の社長の蒼崎橙子などなど。
まだ下巻を読んでいないので、核心までは読みきれていないが、キャラクターなどの設定より感じたことをつらつらと。
「灼眼のシャナ?」を見て、これを読んで特に男性諸氏が好む傾向に感じられるのが主人公？の男性はすごい特殊能力を発揮するわけではなく、どちらかといえばヒロインの能力により守られたり助けられていることである。
例えヒロインが可愛らしい女子高生だろうが、無愛想な女性だろうが、りりしくて異界ではトップクラスの能力を持っていても、通常の生活能力には欠けていて脆いのである。
主人公の男性はその脆いところを支えてあげており、そこでツンデレ(普通はつんけんしているのに、時々デレっとなること)らしい雰囲気になるわけだ。
ここでのポイントだが、ヒロインは主人公に好意を持っている。主人公も他の人(こういう話の場合、他の登場人物は女の子ばかり出る)よりは優先度を高く接している。しかし、告白とか付き合うとか、そういうイベントは発生しない。友人以上、恋人未満・・これが現代の理想とされる男女間の距離なのだろう。
上巻を読了したので、次は下巻を買うか。
とりあえず、明日は映画だ。
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