中国歴史映画でお勉強♪
2007年8月12日 映画本日は2本立て。熱く語る1本を後回しにして面白かった作品から感想を。
「双旗鎮刀客」
西部劇っぽいアクション映画。西安映画とあるからには国営映画っぽい。
武侠映画や小説を読んで気になっていたが、「鎮」ってなんじゃらほい?と今回改めて調べたら英語でいうところの「town」町の意味とのこと。本来は軍事的経済的要地に派遣された軍団の事を指したとウィキペディアにより知る。まあ、要するに辺境地の農業以外の仕事をしている集団が住んでいる町だと考えればよいらしい。
道理で武侠作品の舞台になるわけだ。
95分映画にしては、緊張した雰囲気を観客と共に維持し、アクションの弱さを画面でなんとかフォロー、シンプルなストーリーなため、より多くの想像を引き出さされる面白い作品。
「項羽と劉邦 その愛と興亡」
すぺさる映画の上下編。司馬遼太郎の《項羽と劉邦》ぐらいは読んでおかないと展開が速くて歴史が分からないと面白くない。歴史ファンとしては呂后役のコン・リーにナイス配役と拍手を送ろう。
で、簡単なツボのポイント。
・軍団カラー
始皇帝の軍隊は黒。楚軍(項羽)は赤、漢軍(劉邦)は青。中国の王朝では象徴カラーというのがあり、三国志好きならご存知、「蒼天まさに死す」の蒼とは青で後漢王朝は青がカラーという話もその一種。なので始皇帝は黒でなきゃあかんのです。「墨攻」だろうが「HERO」だろうが。ところで前漢って青じゃないような気がするのですが、まあいいや・・・。
・秦の軍隊って強いのさ
高校だか大学の歴史の授業で聞いた話だが、中国の歴史は西から東への移動で説明がついてしまう。西側は異民族との攻防が激しい地帯で、うかうかしていると食べ物も人も取られてしまう厳しい辺境なのである。そこで軍事の経験、新しい技術を吸収した先進国が華美に溺れた旧王朝を殲滅するという繰り返しなわけなのだ。秦は元々西側で遊牧民族との戦いにより騎馬、武器の技術の発展により急成長した国なので、伝統のある国からは下に見られていたのである。そういう意味では、楚(項羽)も肌を露出する風俗があったので野蛮人扱いされていたりする。
・戚姫
ちらっと出てきた劉邦の愛人さん。この人が劉邦の死後、呂后に両手両足を切られて、人豚と呼ばれて汲み取り式トイレの下に埋め込まれたという陰惨な話になる。劉邦の部下で生き残れた人は少なく、殆どが項羽の死後、劉邦or呂后に殺されている。やっぱり最後にちょろっと出てきた韓信の名言「狡兎死して良狗烹らる」って奴です。この映画、そういう有名エピソードの人を出そうとして、唐突なちょろ役が多すぎ。
この映画の項羽と虞姫のラブいちゃカップル話が「覇王別姫」で、歴史の流れから今回の中国映画出品作品を並べると
「始皇帝暗殺」→「テラコッタ・ウォリア」→「項羽と劉邦」→「さらば、我が愛」
これが一番座りがよくなるのだが、全部放映時間長いから死ぬこと請け合い。
「双旗鎮刀客」
西部劇っぽいアクション映画。西安映画とあるからには国営映画っぽい。
武侠映画や小説を読んで気になっていたが、「鎮」ってなんじゃらほい?と今回改めて調べたら英語でいうところの「town」町の意味とのこと。本来は軍事的経済的要地に派遣された軍団の事を指したとウィキペディアにより知る。まあ、要するに辺境地の農業以外の仕事をしている集団が住んでいる町だと考えればよいらしい。
道理で武侠作品の舞台になるわけだ。
95分映画にしては、緊張した雰囲気を観客と共に維持し、アクションの弱さを画面でなんとかフォロー、シンプルなストーリーなため、より多くの想像を引き出さされる面白い作品。
「項羽と劉邦 その愛と興亡」
すぺさる映画の上下編。司馬遼太郎の《項羽と劉邦》ぐらいは読んでおかないと展開が速くて歴史が分からないと面白くない。歴史ファンとしては呂后役のコン・リーにナイス配役と拍手を送ろう。
で、簡単なツボのポイント。
・軍団カラー
始皇帝の軍隊は黒。楚軍(項羽)は赤、漢軍(劉邦)は青。中国の王朝では象徴カラーというのがあり、三国志好きならご存知、「蒼天まさに死す」の蒼とは青で後漢王朝は青がカラーという話もその一種。なので始皇帝は黒でなきゃあかんのです。「墨攻」だろうが「HERO」だろうが。ところで前漢って青じゃないような気がするのですが、まあいいや・・・。
・秦の軍隊って強いのさ
高校だか大学の歴史の授業で聞いた話だが、中国の歴史は西から東への移動で説明がついてしまう。西側は異民族との攻防が激しい地帯で、うかうかしていると食べ物も人も取られてしまう厳しい辺境なのである。そこで軍事の経験、新しい技術を吸収した先進国が華美に溺れた旧王朝を殲滅するという繰り返しなわけなのだ。秦は元々西側で遊牧民族との戦いにより騎馬、武器の技術の発展により急成長した国なので、伝統のある国からは下に見られていたのである。そういう意味では、楚(項羽)も肌を露出する風俗があったので野蛮人扱いされていたりする。
・戚姫
ちらっと出てきた劉邦の愛人さん。この人が劉邦の死後、呂后に両手両足を切られて、人豚と呼ばれて汲み取り式トイレの下に埋め込まれたという陰惨な話になる。劉邦の部下で生き残れた人は少なく、殆どが項羽の死後、劉邦or呂后に殺されている。やっぱり最後にちょろっと出てきた韓信の名言「狡兎死して良狗烹らる」って奴です。この映画、そういう有名エピソードの人を出そうとして、唐突なちょろ役が多すぎ。
この映画の項羽と虞姫のラブいちゃカップル話が「覇王別姫」で、歴史の流れから今回の中国映画出品作品を並べると
「始皇帝暗殺」→「テラコッタ・ウォリア」→「項羽と劉邦」→「さらば、我が愛」
これが一番座りがよくなるのだが、全部放映時間長いから死ぬこと請け合い。
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