京極夏彦の新刊を見に行ったら、うっかり畠中恵の《まんまこと》サイン本を発見し衝動買い。この人の文体って柔らかくて色っぽいので大好きなのだ。ファンタジー大賞受賞のコーナーだったため、他にも《僕僕仙人》も気になってしまった。次回の給料で買おうかな。

私のミステリーランド読破シリーズはまだ続いている。
今回は《探偵伯爵と僕》森博嗣。

公園で僕は「アール」と名乗る”伯爵”と出会う。”伯爵”の職業は探偵らしい。近所で子供が誘拐され行方不明になる事件が続出し、僕の友達もその被害に巻き込まれた。いなくなった子供たちは一体どこへ?”伯爵”と僕の捜査が始まる。

印象深かった事件を知っているせいか、給水塔が場面として登場すると、関西の事件を思い起こしてしまう。それとこれとは全く違う話なので、ちらっと思い浮かべてしまう程度だが。

相変わらずの森節が炸裂。この人ほど理論的な殺人に至る心理描写、大衆の目線を書きえられるだろうか。マンガ家集団CLAMPの大川節も人気だが、あの人の女性らしい感情の分類への賛同に比べると、理系らしい感情の分析は新しい視点を与えてくれる。

子供の読み物として、また大人の読み物として耐えうる構成はさすがというべき。トリックが二の次なのが残念。

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