図書館で本棚を目でさらっているうち、懐かしい作家さんを発見した挙句に情熱が再燃するというのはよくある話で。今回は竹本健治。

学生時代に《ウロボロスの基礎論》、《ウロボロスの偽書》を貪るように読んでいた。この2冊はその頃芽吹き始めた新本格ミステリ分野で実在する、新進気鋭の作家が登場して推理したり、殺されたりするという現実と虚構の隙間をついた迷作品だ。読んでいた当時は知っている作家の裏話というか暴露本のような扱いで、読み進めるたびにドキドキしていた。

子供の頃に読みたかったような話を書いてねーというテーマで、色んな作家に声をかけて作られているミステリーランドに名前が出たため、借りてみた。

《闇のなかの赤い馬》
ミッション系スクールで連続する不自然な死。学園内でアウトローな文科系サークル「汎虚学研究会」メンバーはその謎を解明しようと調べることにしたが・・・。

著者本人も書いているとおり、子供向けに書き直しているわけではなく「今でも子供です」ということで、好き勝手に書いた内容ではあるが、今まで読んだミステリーランドのシリーズでは一番歯ごたえよく、トリックが面白かった。

この人の大人向けのは文章量が半端ないので、腰を上げるのに力がいるが《匣の中の失楽》は読んだ記憶がないので、梅雨時にでも読んでみようかしらと。

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