右目がけいれん起こしているのに、活字中毒者には心配している人の声も届かず、うっかり図書館に吸い込まれていたりする。

せめて頭に重くないもの、読むのを止めようと思ったら止められるもの・・・という多少の後ろめたい気持ちからのセレクト2冊。

そのうちの1冊がこれ。(もう1冊は白川静の中国古代文学の解説書)

高校時代、図書室で触れて以来、私の好きな海外ミステリの1つになっているシリーズ。アイザック・アシモフがSF作家として有名だが、ミステリも面白い。

このシリーズは短編であり、1作品が10ページ程度で読みきりになっている。1巻でも2巻でも途中から読める、途中で止められるのもよいが、作者本人による解説が各作品についているので、どんな状況で着想を得たのかわかって、より楽しめる。

何よりも海外作品で必要な登場人物を全部覚える努力が少なくて済むのがよい。主要人物7人を覚えておけば、後は各話のゲストの名前だけ。

各話の展開は「黒後家蜘蛛の会」という社交クラブにいる6人が月に1回レストランで会食をすることになっている。その際にメンバーが連れてくるゲスト1名が出す不可思議な話の謎解きをするのだが、それを必ず解くのが給仕のヘンリーという同じパターン。これでネタバレにならないのだ。

今回紹介している2巻では「指輪物語」から着想を得たものや「ホームズ」のある物語から論を展開したりと色とりどりの話がある。

SF作家らしい科学的な話から同時代にあった小説についての論評までを短編で読める贅沢な作品。目が疲れていても、頭の箸休めにはちょうどいい。

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