砂上に臥すとも君笑うことなかれ

前売りで買えなかったため、当日券で勝負！「エレクション(黒社会)」＠東京フィルメルミックス映画祭

有楽町朝日ホールの並び場所はどこですか？と問い合わせをしたものの、はっきりと教えてもらえず、以前ドイツ映画祭で並んだ人の情報を参考に行ってみたら・・・今日はアマチュア将棋大会があって、邪険にされる。くそう。

さらに人さばきがへたっぴな素人風情のくせに、プロの映画関係者のような態度の係員にちと小腹立ち。

それはさておき、あらすじ。原題の黒社会というのは日本で言うところの裏社会という意の中国語。香港を拠点に活動している秘密結社(いわゆる香港マフィア)のことを「三合会(英語ではトライアド)」と言う。つまり黒社会の中の一種に三合会というタイプの集団があると思えば分かりやすい。古き時代の三合会の一つの会長選挙で有力視されているディーとロクの内部抗争の顛末なのだ。

監督は注目のノワール映画製作者ジョニー・トー。この人の特徴は唐突な暴力シーンの後に軽い音楽を持ってきて緊張を抜く点。これが日本じゃ考えられない話のテンポなのだ。敵対する人をボコボコにした後は笑顔で葉巻をくゆらせて、軽いテンポの音楽をバックに繁華街を見下ろす。このままハッピーエンドにいかないだろうという観客の微妙な不安感をそのままにせず、すっきりさせる落とし前もある。

俳優も適当な女優さんでお茶を濁すことなく、こってり裏社会風味たっぷりの男優が揃えてある。男くさい骨太ノワール映画なので来年1月に一般公開された暁にはぜひ見て欲しい一品。

明日は会社を定時に上がって、「エレクション2(黒社会2)」を見るぞ！