知人より「これは面白いぞ」と紹介されたので、上野の東京科学博物館へ「化け物の文化誌」を見に行く。

初っ端から「天狗のお面」と「天狗のツメ(と伝えられている、古代生物の歯)」がお出迎えとは、豪華な・・!天狗の弓矢、天狗の高下駄と伝えられている物品もあるものの、文献類がこれまた素晴らしい。《本草綱目》の初版本なんて!所蔵は東北大。意外にも東北大は中国文献のよいモノ、研究者が揃っている。

江戸時代の殿様が集めた珍奇なモノや、人魚のミイラ、人魚の肉といわれた漢方薬の元、カッパの手も展示。科学博物館なので、化石や生物の一部などはお手の物。

こういった化け物について、一番理解していたのが近代の科学者、知識人たちであった。寺田寅彦、柳田國男、南方熊楠、井上円了など。特に寺田寅彦は「自然の不思議さを分析しようとしているのは昔の人も一緒で、ただそれを説明する手段が「化け物」となるか、「化学」となるかの違いである。今科学者が語っている内容も100年後の人が笑わないとは誰もいえない」(概要)と主張し、著作が読みたくなってきた。ほかにも「妖怪絵巻」なんて複製以外滅多に見られない。科学博物館だけにグッズもなく残念。

同日、同博物館では「南方熊楠展」も開催していたので、見に行く。民俗学者として有名だが、元々粘菌の研究者として世界で有名である。

卒論で指導教官より「君が扱うテーマなら読んでみたら?」と言われたのが「十二支考」という南方熊楠の著書で、一見してすごい人が書いたと分かる論文だ。1つの動物について、どの文献にどのように扱われ、こっちの文献ではこう書かれていて、だからこう考えるという展開は当たり前だが、その文献が四方八方に散らばっていて凄まじいのだ。

8歳で遠く離れた人の家に珍しい文献があると聞いては、読んで丸暗記し、自分のノートに写し書きをしてしまい、20代で英国の権威ある化学誌「ネイチャー」に論文を発表し、在野にこだわり、何も衣冠勲章も戴かず、神社合祀反対活動をしたり、19ヶ国語を操ったり・・・何でもやった万能の人なのだ。

その弟子たちで有名なのが、粘菌三羽烏やキノコ四天王。。どこの戦隊モノの悪役ですか?みたいなネーミングだ(笑)。でも、この人らのおかげで日本の植物学に多大な進歩が見られたのである。最近は三羽烏って言葉も使いませんね。。

昭和天皇に変形菌標本を進献する際、開けやすいからと森永のキャラメル箱(約20センチ四方)を使うなど、生きていたら絶対仲良しになれそうな予感がする。この展示会はまだ開催中なので、入り口にある本人が書いた履歴書をぜひ読んで驚嘆してほしい。

さて、本日は昨年来恒例のアジアシリーズの日本抜き試合観戦。
今年も台湾vs韓国。カードはLA NEW熊と三星獅子。負けるだろーと思っていたが、意外にも(失礼な)勝ってしまった。本気で嬉しい。嬉しすぎて隣近所の台湾人とハイタッチしてしまったぐらいだ。後ろのお兄さんなんか号泣している。歴史的勝利といっていいだろう。

今日のポイント。
・行くとは言っていたが、野球仲間に次々と発見される。
・中国語を駆使して、配布物をゲット♪
・黙っていたら、お弁当の配給まで受けそうになる。
(さすがに人の弁当を取るようなさもしいことはいたしません)
・応援方法がソフトバンクを見本にしてるだろー!!
・ステキお姉さん4人の歌&ダンス鑑賞。お腹出ているコスチューム。セクシーさでは韓国に勝ったぞ。おかげでカメラ小僧大量発生。上着脱いで水着姿になったら歓声上がったね。。。ストライクの時よりも大きくなかったか?(笑)
・応援団より「K」板を借りる。「必ず返してね」と書かれていた。
・マスコットキャラクターは北極熊らしい。白くないのに。
・ペイントシール貼っていたら、台湾の人と笑顔コミュニケ取れた。便利♪

守備は相変わらずで、その守備なら早実に負けるぞと思ったり。

後日談。ペイントシールがですねえ、貼り方は説明してあるが、剥がし方が書いてない。試行錯誤の末、セロテープを上から張って引っ張って剥がす事に成功。い、痛い。

コメント

nophoto
ぐぅぐ
2006年11月13日17:27

オイラも科博いってきた♪
大英より化け物の方が混んでたし、面白かった☆

南方熊楠、すげぇ人だよね。
中華民国の国父、孫中山とも仲良しだったらしいしw

nophoto
かりん
2006年11月15日11:25

大英も行ったの?いいなーいいなー。
孫文さんとも交流が・・・つうな履歴書部分発見。
(写真付き解説あり)
履歴書というか、自分史を巻紙につづったものが
入り口付近に展示されてます。

次回予告としては三井記念美術館(三井本館)で
11/18から開催予定「敦煌経と中国仏教美術」を
狙ってます。建築物と美術品。うっとり。。。