やっと読み終わりました!うふうふ。電車などで読んでいるたびに冷たい視線を浴びたりしていたがなんとか読了。

宋の時代に書かれた検死を担当する役人用の教本を翻訳、小説などから関連する絵を持ってきたり、翻訳者以外にも医療関係者の監修があるので、一般人向けよりは専門家向けに近い。もちろん中国文学でも医療関係者でも読み応えがあるのではなかろうか。

事件のものから不審死の扱いまで死体のチェック項目の話なので、中国の風俗を伺えて楽しめる。

殺害方法で陰部や肛門にクギやら刃物を入れるのがあって、そこは恥ずかしがらずに絶対自分で見ろと書かれていたり、賄賂を渡される場所はどこそこだから下役人の動向に目を配れとかハウツー検死法というか役人向け話。
食べ合わせや毒物の混入の仕方も様々あってさすが漢方薬の国だなと。

一番関心したのは賄賂は普通におこなわれるため、そうそう簡単にされないように事件を担当する役人を増やして賄賂を全員に配らないとできないようにしている点。ということはつまり、賄賂で審議を覆したり、冤罪を着せるには相当なお金持ちじゃないとできないわけで(笑)
水滸伝を思い出すと、「奴ってそんな金持ちだったのねー!」とかうっとりと。

大変だなあということでいえば、奴隷や家族が死に瀕したら(危篤状態)、謀殺or虐待死ではないことを本人に証言を取らないと後でしょっぴかれて尋問されてしまうため、死ぬ前に担当の人を呼んで口述書を作成する義務がある点。証言は構わないけど、その人来たら「もう自分はダメなんだな」と思わされそう・・・。

死体シリーズも終わったので、そろそろ真面目?に水滸伝などを消費する予定。

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