侠客行

2005年11月4日 読書
本日、全3巻読破したので感想文なんぞを。

主人公「狗雑種(日本語に適当な言葉がなかったとのことで、ルビは”のらいぬ”)」という少年が母親から捨てられて彷徨っていたときに侠客らの間で垂涎の的である金属片を拾ったことから数奇な運命が廻り始める。この主人公が純粋で誠実な少年で、江湖を彷徨っているうちに武術を身に付けてゆく様は往年のジャンプ風味(笑)。武侠小説好きや爺さん好きを悶えさせるのが、若い連中(20〜50代)よりも爺さん連中や爺さんらの初恋の女性(婆さん)のハンディを設ける必要がない、異常な強さとハチャメチャっぷり。

金庸の面白さは年配の侠客の捻くれ加減と素直じゃないところ。(←そこか?そこだけなのか?)古龍の場合は人情の機微に敏感で、いきなりト書きに名セリフがあったり、ともかく場面場面で泣かせられる。

この書の中に義兄弟の会話で「生まれた日は違おうとも、死ぬ日は同じと誓った」とある。三国志の桃園の契りで言われるセリフにもあったが、これは三国志だけではなく義兄弟になる際に使われるのか?更に、あの三兄弟が「侠客」と同じ扱いとなると・・・やっぱり盗みやら人殺しやらしてるんでしょうなあ・・・。それが悪いというわけでなく、ノリとして「兄貴がそうなら、ついていきますー」なんだな、とほんのり笑みを浮かべたり。

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